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鳩山首相の「腹案」
県外でも国外でも辺野古回帰でもなかった
 マスコミの誤報が加速させた首相退陣劇
 鳩山首相の普天間移設案の「腹案」は、徳之島だったと日本国民は思いこんでいる。マスコミがそう伝えてきたからだ。
 しかしそれは誤報である。当現代メディア・フォーラムの調査では、鳩山氏の「腹案」は別にあった。
 小川和久著『普天間問題』を読むとその真相が浮かび上がってくる。鳩山さんの「腹案」とは、この本に書かれた小川氏の案だったことがわかる。
 小川案は、県外でも国外でも自民党政権が作った辺野古回帰でもない。沖縄の米軍基地内を駆使して、普天間の危険を除去するための移設突貫工事について記述したものだ。さらに周辺の島嶼の一部を有事の際に利用可能にする。
 立命館大学のジャーナリスト養成塾での小川氏の講義は、この問題に詳しく、具体的に触れていた。受講した学生たちは、マスコミが伝えない小川氏のインサイドストーリーに驚愕した。
 若干の週刊誌と新聞がこの「腹案」をわずかに伝えた模様だが、多くの国民の知るところではない。腹案は沖縄の社民党関係者らと十分な議論を尽くし、これなら沖縄県民の同意を得られる中身だったという。この「腹案」を持って小川氏は、5月の連休中に、鳩山首相の要請で米国に行き、米国の安全保障担当の実務家や関係者と協議してこの案の同意を得たという。
 ところがこの実現可能な「腹案」は、日本側の辺野古回帰を唯一の選択肢と考える官僚の厚い壁に阻まれたという。さらに辺野古の埋め立て工事の既得利権を持つ本土のゼネコン業者や族議員の利権もあり、辺野古回帰が政府の唯一の選択肢になってしまった。
 辺野古埋め立ては環境破壊につながりだけでなく、地元沖縄の零細土木業者らの経済効果を上げる可能性はない。本土政府に頭越しにやられた。これが沖縄民意の反発の最大の理由である。
 小川氏は米国の同意を首相に伝えると、首相は「腹案」実現に向けて決意を新たにしたように見えた。しかし最終的には辺野古回帰で米国と合意してしまった。おそらく、日本側の官僚の壁を首相が突破することができなかったのではないか。
 3月20日に小川氏は首相補佐官の就任要請を首相から受けて米国や沖縄との交渉に当たった。
 こうした事実をマスコミは知らないのか、知っていても無視したのかわからない。しかしいまの日本マスコミの取材力欠如と不勉強からいえば、知らなかったというほうが正しいだろう。
 日本のマスコミが、腹案を徳之島だと報道し、結局、辺野古へ戻した鳩山首相は沖縄と国民を裏切った、という報道の仕方は完全に間違っている。だいたい事前に徳之島の名が出て、人口を超える住民反対運動が盛り上がったのは、おかしい。この数字のおかしさをマスコミは全然報道していない。
 国民をミスリードしながら、反省もすることなく面白おかしく政局を伝え、鳩山退陣を娯楽にしてきたのがマスコミだ。
 特にテレビはひどい。こんな低レベルで誤報ばかりするテレビの地デジ化がいま必要なのか?こんなテレビを見るために国民は負担を負うべきではないのではないか。
 鳩山首相は退陣してしまったが、「腹案」が消された理由を、われわれは今後も追及していく。それは国民の知る権利のためだ。
 
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