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20%も60%も誤差のうち?
支持率弄ぶマスコミ世論調査のいい加減さ、非科学性
 戦時下新聞の大本営発表を嗤えない体たらくだ

 鳩山政権から菅政権に移行したその日から、マスコミ各社の民主党支持率はうなぎ昇り。あっという間に20%以下から三倍の60%以上に飛躍した。いったいこれはどういうことか?
 当初70%前後あった鳩山政権の支持率は、政治とカネに明け暮れたことでどんどん低下し、普天間移設の辺野古回帰で20%以下に落ちた。
 短期間で政権支持率が極端に上げ下げする政治状況は危険なもので、もしも日本がタイのような国なら、暴動や革命が起きているだろう。
 日本がそうならない理由はいくつか挙げられるが、第一の理由は在日米軍の広範な駐留にある。もし日本でタイのように国軍を巻き込んだ暴動や革命が起こると、米軍が鎮圧に乗り出すだろう。駐留米軍は世界最強部隊だから、日本では暴動や革命は起こらない。
 鳩山前首相が米国の意図をくんで普天間移設先を辺野古沖で日米合意したあと、マスコミと世論に退陣させられたのは皮肉な顛末だった。

 それにしても、マスコミが週替わりで行う世論調査とは何だろう。世論調査の結果を見ると、昨年夏の総選挙で民主党が大勝して、日本初の政権交代が起こったのに、わずか8ヶ月で、国民は政権交代に嫌気がさしたのだろうか。まだ新政権の政策は未知数部分が多いのに、なぜこれを見極めることなく、鳩山政権を見はなしたのだろうか。
 そう思っていたら、菅政権になって支持率は3倍に回復し、鳩山政権発足時とほぼ同じ数字を示た。
 しかし菅政権も3日とたたない間に、閣僚たちの事務所経費にまつわる政治とカネの話が複数出てきている。
 菅政権もまたぞろ政治とカネのスキャンダルによって、支持率を下げ、鳩山政権と同じ運命をたどるかもしれない。そうならないという保証はない。
 
 このコラムで米国マスコミの世論調査の話を書いたことがある。米国では1社だけで世論調査をせずに、ニューヨークタイムズとCNNテレビ、というように複数社が共同調査をするだけでなく、プロの世論調査専門機関やシンクタンクがバックにつく。これによって調査結果の正確性と公平性を担保するのだ。
 質問項目も誘導にならないように、きめ細かなチエックが課られる。そして実際の調査には世論調査学を学んだプロの調査員があたる。

 しかし日本のマスコミの世論調査では、ほとんどプロが介在しない。さらに正確さ、公平性よりもコストをかけないように行うのが至上命令だ。
 マスコミ各社に世論調査部はあるが、必ずしも専門教育を受けた人材がいるわけではない。
 しかも一線で調査にあたる調査員は、大学生のアルバイトが多い。素人学生が世論調査の先端を担っているわけだ。
 こうした世論調査の結果がどれほどの信頼性があるか、推して知るべしである。鳩山政権の悪口を垂れ流した後に調査をすれば、誰でも支持できない、と答える。菅政権はクリーンだという印象報道をした後、調査をすれば支持率が高まるのは当然だ。要するに日本のマスコミの世論調査では、支持率20%でも60%でも大差はなく、誤差のうちという非科学的な結論を招いてしまうのだ。

 アルバイト学生は時給で雇用されているが、実際の調査をせずに自分で適当に調査票の回答を書いてしまう者もいるようだ。

 マスコミ世論調査結果に一喜一憂する政治家が多いようだが、20%も60%も誤差のうちと考えれば、振り回されることもなくなる。
 要するに、民主党政権に問題はあっても、政権交代の行方をもう少しも守ろうという国民は、世論調査の結果のいかんにかかわらず民主党に投票するだろう。自公時代に戻りたいと思う国民は少ない。
 世論調査に動かされて右往左往する選挙民がいたとしても、彼らは政治的無関心層(無党派層ではない)に過ぎない。政治や世の中の動きにもともと関心のない無関心層は、次の選挙ではたぶん棄権するだろう。
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