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大学教育の質のアップが急務だ
 中国の一流企業は日本留学組を雇わない
日本の大学生は勉強しない、という神話を打破せよ

 大学で若い学生と接していると、彼らに勉強したいという意欲があるのはわかる。しかしどう勉強すればいいのか、勉強のノウハウやシステムを発見できないで悩んでいる学生が多い。授業中に学生が私語をする、途中で出てゆく、などの苦情も多い。
 
 この背景には教授の指導が行き届かなかったり、大教室のマスプロ授業のために講義内容がアバウトで面白くない、理解しにくい、などの事情もあり、こうした苦情を学生の多くが持っている。
 世は就職氷河期。高い授業料を払う学生たちは、遊んでいる場合ではないことは、よく承知しているのだ。
 
 以前、APEC主催の情報通信専門家会議に招かれて、香港で開かれた国際会議に出たことがある。中国本土の携帯電話会社を見学した。広野にそびえたつ城塞のような建物で、日本の社宅では考えられない豪華住宅やレストラン、ショッピングモール、リクレーション、スポーツ施設が完備し、優雅な生活が楽しめる空間だった。
 格差社会中国の現実を目の当たりにしたが、従業員の採用について聞いてみた。すると、最優遇は米国のIVリーグ卒のPHD取得者、次は北京大学など中国の一流大学卒、その次は韓国の一流大学卒、ということだった。
 日本の大学留学者は?と質問すると、残念だが日本の大学からは採用しない、という。東大卒でも学力が劣る、というのだ。
 大いにショックを受けた。日本の大学には多くの中国の留学生がいる。日本の学生に比べ、彼らは真面目で、一生懸命に努力して勉強している。
 しかし日本留学組はこういう一流会社にエントリーする資格もないのだ。

 事業仕訳のときスパコン開発をめぐり、「2番目ではダメなのか」という政府側の考えが批判された。ノーベル賞科学者たちが権威の力をかりて、国は研究のために無尽蔵に金を出せといっているような印象を与えた。
 しかし、苦しくても一番を目指す精神は学問、教育には必要である。
米国が世界一の教育研究水準を保持し続けているのも、一番を目指す精神が顕在だからだ。

 日本の明治維新が成功したのも、欧米列強に伍して、世界一の教育大国を目指したからだ。
 現代の日本には世界一を目指す精神がなくなっている。2番目でいい、というなら、やがて50番でも100番でもよくなってゆく。人間の心は堕落しやすい。
 トヨタの世界番付が昨年の3位から今年は300番以下に転落したのも同じ精神構造による。
 
 高等教育の質の確保は大学自体の改革努力はもちろん重要だが、政府文科省の政策が大きく関与する。思い切った研究費の配分や資金供給も重要だ。
 これまで政治的には文教族に支配されてきた文部行政の刷新と大規模な改革がないと、日本の高等教育は衰退するばかりだ。
 
 日本の大学生たちの意欲と希望をかなえ、多くの外国人留学生が母国に戻っても、日本の大学を卒業した、と胸を張れるような大学に改革してほしい。
 大学で夢をかなえられない大学生が、将来に希望を持って生きてゆけるはずはないのだ。
 ”高杉晋作の奇兵隊内閣”をうたう菅新政権は、新しい教育維新を目指して、世界に通用する高等教育の国際化を掲げ、大学の改革に取り組んで欲しいものだ。日本の大学生は勉強しない、と世界に知れ渡った神話を打破せよ。 
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