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鳩山さんの失脚は米国が仕掛けた?
日米同盟といいながら、普天間について何も知らされていなかった
 偏向を作り出すマスコミの不勉強と既成事実への思いこみ

最近、米国でささやかれている日本問題とは、「鳩山首相の失脚に米国が大いに関与した」ということだ。 
 「米国はこう考えている」「米国に対応を迫られる日本」という類の新聞社説や米国通といわれるコメンテーターの主張がよくある。
 「米国はこうだから、日本はこうしないとご機嫌を損ねて大変なことになりますよ」との脅しや暗示が含まれた言い方だ。まるで殿の機嫌を取る家臣の反応と同じだ。
 対応を迫られているというが、誰に対応するのか、米国の誰がそういったのか、意見の詳細が伝わることはない。
 ところが、本会会員で米国メディアと世論に詳しい外国特派員協会理事の飯沼良祐氏と京都で勉強会を開いたとき、飯沼氏から驚くべき話を聞いた。

 ある全国紙の「普天間関連ニュース」の中の、「米国発の記事」を調べたところ、特派員が書いた記事は、数百件の中から約30件しか見つからなかったという。その記事もホワイトハウスの報道官の記者会見、日米外相会議の記者会見など公式発表された「普天間」への言及のみにとどまる。
 あとは日本を訪問した米国要人へのインタビュー記事や、2,3人の米国の日本通や日本ロビーストといわれる人のコメントがあるくらいだった。
 つまり大新聞が伝えた「普天間移設」の”真実”とは、ホワイトハウスの公式な見解と2,3人の日本ロビーストの偏った意見にすぎなかったことになる。

 米国の正確な世論も知らずに、日本中が「普天間」で勝手に盛り上がっていたというわけだ。おかげで日本では「反米」世論が高まったが、「反米世論の盛り上がりは、日米関係を本当に傷つける」と心配する米国人は多い。
 
 オバマ政権に対する米国世論の主要関心事は「健康保険法案」「アフガン戦争」の行方だ。「普天間」は米国にとって重要問題ではないが、オバマ政権は「海兵隊」と無用なトラブルを避けたいとの意図強く働いた。
 米国が「辺野古回帰」を主張したのはこのためだと、米国の安全保障問題の専門家の多くが認めている。
 沖縄民意の反対が強い「辺野古」に固執する是非は、当然、米国内にも議論がある。県外、国外移設も検討すべきとする意見もある。普天間移設に関しては、米国内でも様々な議論があり、決して一枚岩ではない。
 先に本コラムで紹介した小川和久氏のプランを評価する米国の専門家も多い。

 ところが、日本のマスコミは「辺野古」でないと米国は認めない、このままでは日米同盟を傷つける、との大合唱をした。あくまで辺野古、という偏狂な考え方は既得権益で結ばれた米国の一部のロビースト、族議員、日本の官僚のリンク中にしか見られない。
 海兵隊の抑止力にもさまざまな考えがあるが、米国で人気の高い海兵隊は政治力も持っている。沖縄の海兵隊にしてみれば、使い慣れた基地を動くのは抵抗もあり、やっと辺野古で合意したといういきさつもある。

 鳩山政権は、沖縄の民意の反対を押し切って辺野古回帰をオバマ政権と合意し、あげくに首相の座を降りた。オバマ政権への配慮で、いったん辺野古に合意し、その後、沖縄の民意の動向を見ながら、小川案への変更などの高度な戦略もありえたのではないか、と思う。
 しかし県外、国外、と約束し、日米安保の見直しを掲げた鳩山氏が、米国の不信感を買ったことも確かだ。鳩山氏の考えは理想論としてはわかるが、イメージが先行しすぎて、現実感がない。そう米国の政治家も専門家も考えた。就任時のCO2削減の国連演説は素晴らしかったが、日本国内でも実施されてはいない。
 鳩山政権末期には、「ルーピー」などと米国の大新聞にしきりに鳩山氏の悪口が出るようになったが、これは米政府高官が新聞にリークしたと考えられる。米国メディアが書いた悪口は瞬時に、日本マスコミの報道になる。

 米国でささやかれている、「鳩山首相の失脚に米国が大いに関与した」という話は日本では報道されていない。
 日本では、沖縄の民意と政治とカネが鳩山氏の辞任の理由と見られているし、マスコミもそう報道してきた。しかし米国には日本の首相を引きずり降ろすパワーが健在のようだ。こういうことも報道しない日本マスコミの存在理由とは何なのだろう。 
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