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ツイッター革命が広がる中東

 外はどんなに嵐でも頭の上はいつも青空、の日本人
 内向きもいい加減にしないと、可愛そうなほどのバカになる
  
 チュニジアに端を発した北アフリカの動乱は、エジプトからイエメン、サウジアラビアなど中東各国に広がっている。
 独裁者を追放したチュニジア革命に火をつけたのは、ツイッターという新しいメディアだった。
 
 社会の変革の時にはいつも新しいメディアが同伴している。18世紀ヨーロッパの市民革命のときは、イギリスのパブから出て来た活字の新聞が活躍し、フランス革命、アメリカ独立革命のツールになった。
 パブ(PUB)は、公共性(Pubilic)の語源になった。

  20世紀、テレビが台頭した時期、米国が苦しんだマッカーシズムや悪徳政治が追放され、テレビは情報開示を広めて大衆民主主義のためのツールになった。

 時代は進み、誰でも世界に発信できるツイッターは、米国初の黒人大統領のオバマ氏を生む原動力となり、閉塞する米国社会のチエンジをもたらした。

 そして今、ツイッターやフェースブックが、独裁政治と貧困にあえぐ北アフリカの民衆の蜂起のツールとなった。

 世の中の変化は新しいメディア・ツールと共にもたらされるというのは、歴史の真実だ。

 われわれはこれに敏感でないと、世界から取り残される。エジプトなんて遠い国、と日本人は考え、そんなところの政変なんてどうでもいい、と思っているだろうが、いざ中東戦争が勃発すれば、石油の一滴も入ってこなくなる。そうなると日本経済は、明日から立ち行かなくなる。日本人も飢える。

 政治家や政府はこの目前のリスクを管理する義務があるが、自覚はなく、相変わらずの政治と金とか小沢氏の追放や内輪もめに血道をあげている。官僚たちは既得権益にしがみつき、小沢氏を追放し、消費税を上げれば財政難は何とかなる、という馬鹿馬鹿しい妄想に取りつかれている。
 いままで国民から絞りとってきた税金の使途はどうなってるのだ?

 ところが、これに見合う国民意識はどうかというと、たまにエジプト観光に出かけた中年のおばちゃんが、動乱に会い、空港に足止めされて「お土産も買えなかった」と嘆く姿が国際報道される。せっかく現地で大ニュースを目撃したというのに、それを観察しようともせず、お土産のことしか目に入らないのだ。すべて人任せ。おいしいものを食べ、みやげを買えばそれでいい。

 
 こんな日本人の姿をまじかに見ている外国人は、日本人のことを、可愛そうなほどバカ、と陰口をたたいているそうだ。日本人は自分たちの過去や歴史を知らず、国際社会のことも知らない。関心もない。

 日本人と議論しようとしても、あまりに知識がなさすぎて、議論のベースができず、議論すらできない、ということだ。

 国家とは、その国民のレベルに見合う政治や文化のレベルしか得られない、というのは真実で、いまの日本ではこの現実がふさわしいのかもしれない。
 人材のいない日本はどんどん貧乏になり、やがて破産するのを心待ちにして、円のフェッジファンド作りに余念のないウオールストリートやシティの金融マンが手ぐすねひいているが、これもいた仕方ないだろう。

 心配なのは、若者の元気もなくなっている点だ。ハーバード大学の人気授業のサンデル教授の1000人授業の日本人受講生はたった一人、という現実も、いまの日本の若者のチャレンジ精神のなさ、の現われだ。

 韓国、中国の留学生はゴマンといて、積極的に参加しているというのに。しかし日本の若者たちは一方で就職氷河期にあえでいる。海外留学などしていれば、金を使うだけでなく、将来に響く。
 なぜなら、日本では海外留学経験のキャリアは評価されないだけでなく、なまじ生意気になって帰国するので、マイナス要因にもなりかねない。

 若者の閉塞と元気のなさ、内向き精神を作ったのは、大人社会である。
大人も若者も自分のことだけを考えている。そしていま手にしている小さな現実を失うまいと、必死になってしがみついているのである。

 「外はどんなに嵐でも、頭の上はいつも青空」というフレーズは、新井満さんの小説に出て来る、知恵遅れの少女がつぶやく言葉だ。
 この言葉はいまの日本人の精神と立ち位置をうまく表していると思う。
 

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