<< 和の精神とは、八百長の意味でもある | main | マスコミの餌食、京大も落ちたものだ >>
厚生年金ぼったくりの構造
 貧すれば鈍する国と地方のサイフ
 サラリーマンは老後に野垂れ死にする

 厚生年金がぼったくられている。自民党の河野太郎さんがブログで訴えている。主張の骨子はこうだ。
  国民年金の納付率は下がり続ける一方だ。こうして、「財政に開いた穴は大きくなりつづける。そして、サラリーマンの厚生年金から国民年金の保険料の未納分を埋めるための拠出金がどんどんと流れ続けていく。」(河野太郎公式サイト「ぼったくられる厚生年金」2020年2月20日、参照)

 厚生年金ぼったくりは、給料から税金、社会保険、健康保険のすべてが天引きされるサラリーマンの危機だ。せっせと給料から天引きされている年金積み立てがぐちゃぐちゃにされているのだ。このままゆくと、年金額の建前の数字は元のままだが、実際に手元に入ってくる金がゼロになる、という時代を迎える。

 ぼったくる側の国はなんのかんのと屁理屈をつけて、サラリーマンの金をむしりとる手練手管に長けている。霞が関の役人たちは文章一筋の錬金術に長けており、そのための研鑽を専らとしてきた人種である。
 霞が関文法に虚飾された特殊な文章を法律と称して布告すれば、無知な国民大衆はたやすく騙されて従うからだ。
 それによって、河野さんがいうように、国民年金の未納分へと厚生年金が流れ込む仕組みが作られた。

 国によるぼったくりに加え、もうひとつ、地方の役所が国とグルになって厚生年金をぼったくっていることは、まったく知られていない。

 以下は知人から直接聞いた話である。
 知人は大阪府吹田市に住む年金暮らしの住人だ。昨年の10月から厚生年金の受取額が激減した。調べてみると、年金から住民税がごっそり引かれていた。

 会社を退職後、自営業になった知人は青色申告をしている。昨年度の住民税は、税務署で決まった税額通りにすでに全額支払い済みなのに、何の説明もなく年金から住民税が天引きされていた。
 びっくりして吹田市に聞くと、年金からも住民税を天引きすることが法律で決まった、という返事。決められた年金という人の財産に断りもなく手を付けるのは犯罪だ。

 これは税金の二重取りではないか、と怒った知人は何度か市に電話で確かめたが、その都度、相手はわけのわからない法律の文章を電話口で読むだけだった。読む本人もわかっていない。役人は気が狂ってるんじゃないか、と知人は思ったそうだ。

 調べると、小泉政権時代に改正年金法という悪法が誰も知らない間に国会をスルリと通過したらしい。

 地域主権の税源委譲とやらで、年金が人身御供になったのだ。人様の年金から好きに住民税を天引きできるようになったらしい。辞任する小泉政権の地方への嬉しいプレゼントだった、というわけである。

 知人によれば、10月から毎回天引きされる金額は半端な額ではない。2か月分の年金約30万円に対して、毎度課せられる住民税は約5万円。なんと年金の2割が住民税になって消えているのである。

 さらに驚いたことに、来年度の税額までも推定額が割り出されており、割り出された税額に基づいて、来年度の年金からも同額が自動天引きされる仕組みになっている。
 厚生年金住民税自動支払い機械、国と地方がグルになったATMの誕生。

 まだ今年の税金申告が済んでいないのに、来年度の住民税額が決まっている。摩訶不思議!お釈迦様でもわらないはずだが。

 所得の税額が決まらないのに、住民税だけが決まる。なんという人権侵害! これは住民税ではなく、奴隷制度があった古代社会の人頭税に相当すると、知人の怒りが収まらない。人頭税というのは、人間一匹生きている間中課せられる税金のことだ。
 
 そうだったのか。地域主権とは、財政に貧窮した行政が管轄下の住民から一重頭いくらに人頭税を取って、住民を搾取することだったのか。地域主権という甘い言葉に騙されたのは、不覚だった。

 そんな地域主権は願い下げにしたい。大阪府の橋下知事は、減税を公約した名古屋の河村市長とも意思疎通して、役所行政の無駄の削減、役人の給料カット、議員報酬の引き下げなどに取り組んでいる。

 おそらく橋下知事は、このような吹田市の行政の破綻ぶり、非人間性をご存知ないのだろうが、足元で起こっていることをよく見てもらいたい。

 行政の無駄を削れるだけ削って、一方で市民に減税を約束するのが、公僕として、志ある政治家の姿ではないか。

 来年の住民税をアバウトに推測して、ためらうことなく高齢者の年金に手をつける行政の血迷った浅ましい姿を、これ以上見たくはない。

 来年まで生きているかどうかわからない高齢者に、まだ生きている間に、前倒しして来年分の住民税も取ってしまえ、という発想はどこからきているのか。
 

 行政による住民の生存権の否定。これこそ行政の行う究極の恐怖支配、というものだろう。
| - | 20:53 | - | - |