CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
ARCHIVES
SELECTED ENTRIES
<< 厚生年金ぼったくりの構造 | main | マスコミを凌駕したツイッター >>
マスコミの餌食、京大も落ちたものだ
 携帯カンニングに狼狽した最高学府、マスコミの餌食となる
  昔は大学の自治、学問の自由といって学生を守っていたが、、

 京大の入試の携帯カンニングで予備校生が仙台で逮捕され、飛行機で京都府警に身柄を移送される引きまわしの姿が、マスコミで中継された。未成年の受験生を晒しものにして、大学はその将来を奪った。もし試験の公正のため、というなら、今後起こり得る学内期末試験も含め、すべてのカンニング行為の刑事罰を警察の手に委ねるべきだ。もはや大学は能力を引き出す教育機関でなくなり、警察と一体化した市民監視装置になりつつある。

 カンニングで受験生が逮捕されるのは前代未聞だし、世界的にも類例がない事件だ。中国でもカンニングは横行しているというが、さすがに逮捕されたという話は聞かない。
 偽計業務妨害という意味不明な罪名より、世界に先駆けてカンニング罪という新しい刑事罰を京大と警察が作り上げた結果は、大学への今後の評価に確実に跳ね返るだろう。

 京大とマスコミなどの既成の旧体制が何に怯えてこういう血迷った挙に出たかというと、リビアやエジプト、チュニジアの革命に怯えたのではないかという推測が成り立つ。新しい情報ツールの進化によって、旧体制が汲々として維持してきた権力基盤が浸食され崩壊することを恐れたのだ。

 リビアのカダフイは市民が駆使するツイターやフェースブックに敗北し、外人傭兵部隊の力を借りて戦闘機による空爆を敢行し、リビア国民の殲滅をはかって一族の利権を守ろうとしている。

 こうしたカダフイのメンタリティは、携帯カンニングに狼狽して少年を殺人犯並みの重大犯罪人に仕立てて、マスコミを使って全国の晒し者にした日本の旧体制の精神構造と、ヒステリックで気違い染みた点で似ている。
 日本ではリビアのような武器は使えないが、マスコミは旧体制の最大の武器になっている。おそらく日本の旧体制はカダフイに同情し、反社会的なデモを殲滅して政権に復帰してくれることを望んでいるのであろう。
 そうなればいままでのリビアの石油利権も維持できる。

 もしも受験生が携帯を使わないでカンニングしていたら、これが発覚しても京大の受験資格がなくなるだけで終わっていただろう。彼は警察に逮捕されることもなく、他大学への入学すら出来ていたのではないか。
 
 カンニングは不正行為であることは当然だ。しかしカンニングはやらせる側にも責任がある。それほど入試が重大な行事なら、当然、携帯への注意も怠りなくすべきだった。京大にはITやネットの研究者がいるはずだから、そういう専門家の知見を仰いで万全のカンニング対策を実行しておけば、このような事件が起こるはずもなかった。
 
 京大のトップを預かる大学人たちの怠慢の結果でもある。その責任を逃れ、傷ついた権威を守るために警察の力を借りた行為は、大学人として恥ずかしくないのか。同じことを易々とやられた他の大学の責任も同様だ。

 京大は誇り高い大学だった。権力のバシリになったり、政府に追従することをよしとしない伝統があった。戦前は、滝川事件で軍国翼賛政府と対決し、西田幾多郎、内藤湖南、川上肇など反権力の学者を輩出した。
 戦後は、日本初のノーベル賞学者・湯川秀樹、桑原武夫、吉川幸次郎、今西錦司など世界に誇る学者を輩出した。彼らは東大ではあり得ない不世出の学者と言われた。世界に誇る傑出した学者が育ったのは、京大の型にはまらない自由奔放な学風であった。 新聞記者出身の司馬遼太郎も京都学派が育てた作家だった。
 
 全共闘時代、学生たちを擁護して病に倒れた高橋和己もいた。警察に追われた全共闘の学生に対して京大は寛容だった。世間の批判を浴びながらも、むしろ大学の自治を唱えて、警察を学内に入れるのをよしとしなかった。
 当時の京大はしゃっきとしていたし、素晴らしい教授陣がいて、学問は純粋に学生に生きる勇気を与えていた。難しい入試を突破して、京大で学ぶ意義もあった。しかし今はその値打ちがあるだろうか?

 携帯入試カンニング生をろくな学内調査や監督責任の自覚もなしにいきなり警察の手に引き渡した京大当局関係者の研究・教育に関わる人間としての誇りはどこにあるのだろうか。思えば大学がこのような様変わりの姿を見せ始めたのは、国立大学が独立行政法人という名前に変わったころからだろうか。金に汲々とする官僚主導大学へと落ちぶれたのだ。
 そのころから、昔の京大とは変質した。京大は伝統の京大とは似て非なる大学に変わったのだ。

 さらにまた、このたびの事件で、京大はいたずらにマスコミの餌食になり、その権威を失墜させたことを、猛省すべきである。
 京大は泣いているぞ!
| - | 11:50 | - | - |