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世界遺産としてのビキニ環礁と日本の立場
 瓦礫処理にも外交能力が必要だ
 

日本は福島第一原発由来の放射能汚染瓦礫、焼却灰、除染土砂などを捨てる場所がなくて困り果てている。

 仕方なく、非汚染地帯の西日本を含め全国各地に汚染瓦礫の焼却を平等に配分してことを、まるく収めようとしている。

 しかし税の負担とは違い、放射能は人体へどんな影響を与えるか未知数だ。日本政府は軽濃度といっても測定方法やサンプリングの仕方で多様な数値が出るし、年齢や個人差で体内被曝の仕方も変化する。

いくら被災地支援といっても、命を投げ打ってまで引き受けてやろうと考える人は少ない。このため、全国のあちこちで放射能瓦礫の自治体への押し付けに反対する住民運動が高まっている。

 

 狭い日本列島のどこに行こうと、過疎地の離島であっても人が住んでいる。無人島のような島は尖閣諸島くらいのものだろう。

 そこで尖閣に自衛隊を派遣して領土防衛するよりも、いっそ放射能汚染瓦礫や焼却灰を尖閣諸島に捨てることで、おのずと中国は自国領土だというのをあきらめて、日本は尖閣の領有権を永久に保守できるというものだ。

 

 それはさておき、南太平洋にはかつて戦勝国の米英仏が繰り返した核実験の遺跡がたくさんある。

 1945年の広島、長崎原爆以降、世界で行われた核実験回数は2379回といわれ、その中の多くが日本から遠くない南太平洋で行われている。

 

 ビキニ環礁では米国が67回、ムルロア環礁ではフランスが160回以上、クリスマス島やオーストラリアの砂漠でイギリスが45回の核実験を南太平洋で行ってきた。

 

 ビキニ環礁の核実験では日本の漁船が被曝して久保山愛吉さんが死亡するなど日本世論に大きなショックを与えた。

 そのビキニ環礁のあるマーシャル諸島を取材したことがあるが、現在でもここの放射線量は高くて人が住めるレベルにはない。恐らく半永久的に人が定住して農業や漁業で生活できる島には戻ることはなかろう。

 

 しかし約半世紀以上を経た現在、限られた日数なら人が滞在できる程度にまで線量は下がっている。滞在用の観光ホテルも出来ていて、ダイビングなども可能になっている。

 

 ビキニ環礁は人類の負の遺産として、近年、ユネスコの世界遺産に指定された。核実験という愚行によって破壊された海洋環境汚染のシンボルになっている。

 

 いま日本は世界が注視する原発大事故の処理で困窮している。

汚染瓦礫を人が大勢住む地域に捨てるしか方法がないところへ追い詰められている。

瓦礫や食品汚染の拡大で、多かれ少なかれ、日本国民は何らかの被曝をすることになり、広島、長崎から66年目に二度目の原子力災害に直面してしまった。日本国民は、自らが仕出かした事態とはいえ、この原子力災害からの救済を世界に求めるしかない。

いくら頑張ってみても自力救済には限度があるだろう。

 

そこで核の負の世界遺産に今の日本が貢献できることは、日本がここへ積極的に関与し負の遺産を保全する役割を果たすことだ。

 

実際のところ、汚染瓦礫はすでに汚染された場所にすてるしかない。汚染処理のために新たな汚染地を作ることは道理に反している。

 

多額の援助金を餌にモンゴルに放射性廃棄物を廃棄する案が出されたことがあったが、モンゴルの反対でとん挫したのは当たり前のことなのだ。

 

ビキニ環礁あるいは南太平洋の核実験汚染で人が定住できなくなった場所に、低濃度の汚染物質に限って、福島原発由来の汚染物質処理を依頼する道を探すことを考えたらどうかと思っている。

戦後、日本の平和主義と日本経済の発展は世界に大きな貢献をしてきた。ドイツがナチズムを克服したのと同じように、日本は世界平和に寄与したはずだ。

これまでいくぶん自虐気味に生きてきた日本人が、困窮した現在、サバイバルのための若干の要求を世界に行っても良いのではないか。

 

米国は日本へ原爆を投下し、原発を日本へ持ちこんだという責任がある。このさい米国との交渉力が第一のカギになろう。外交交渉とは、何を守って何を譲るかである。得るものが大きいときは、失うものもある。その優先順位をどこに求めるかだ。

 

これには他国や現地とのパワフルな外交能力、説得能力が必要となるので、それほどたやすい道ではない。

第一に、世界世論は日本が明確な脱原発宣言をすることを要求するだろう。

 

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