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やっと2013年が終る
 今年はアルジェリアで日本人人質のビジネスマンが、多数、テロの犠牲になってなくなりました。
かつてアルジェリアなど、北アフリカのルぷルタージュをやってきたジャーナリストとして、深い哀悼の意を表します。
資源もない小国の日本が欧米のようなテロもなく治安もよく、豊かな国で、国民はそれなりの幸せ感を享受しながら、生きて来れたのは、「ここは地の果て」といわれるサハラ砂漠をいただくアフリカの辺境のような場所で、危険を冒しながら資源獲得のために働いている多くのビジネスマンの方々の犠牲の上に成り立っていることを、改めて認識させた事件でした。

 3.11と原発大事故の後遺症を引きずる日本の明日を予感させる不幸な事件でした。

 その後、消費税が上がり、安全性を犠牲にしても経済効率と金儲けが大事といわんばかりの原発再稼働論が幅をきかせるようになり、多数派を獲得した自民党政権の奢りとしか見えない政治家の言動も目立ちました。

 被災地は3年目を迎えるのに、未だに復興をどうするかという議論が続いています。阪神大震災のとき3年後の阪神地方は、すでに目覚ましい復興を遂げていたと思います。驚くべき政治の停滞です。ロシアの保守系の方々から、日本の被災者、難民を受け入れよ、という要求が出て来たという話まで聞きます。原発事故と被災地への海外の関心がいぜんとして高いのです。

 しかし政治の動きは異質な方向へ向かっています。中韓との領土問題をめぐる紛争解決のために軍事的備えを重視し、日米同盟を強化して米国の後ろ盾で戦争準備に入る動きではないかという疑念が広範に芽生えています。

 平成の治安維持法とまでいわれる秘密保護法が国会をあっさりと通過し、国民はいつ嫌疑を受けるかもしれない脅威を感じているとき、安倍首相は靖国神社に参拝しました。私の身うちにも戦争犠牲者がいて、靖国には何度か参拝しています。しかし違和感のある神社です。あの神社には遊就館というところがあって、大東亜戦争は正義の戦争であったとし、アジアへの侵略ではなく、欧米列強の植民地から解放のための聖戦だったという主張がなされています。
 いま靖国にいる身内は、娘が生まれて間もなく南方戦線へ配属され、戦死しました。補給が断たれた南太平洋の孤島の苛烈な戦闘で斃れたようですが、一枚の死亡通知が届いただけで、詳細は知れず遺品も遺骨も何もありません。
 戦後を生きて、辛い思いをした娘のほうは父親の顔も覚えてはいませんが、8月15日には戦死した父を追悼して黙とうしています。しかし靖国には参拝しないといっています。もう国に騙されたくない、騙されたのは父親だけで十分、という理由です。

 太平洋戦争で亡くなった方々、靖国の日本人兵士に対する尊崇の念を首相が示すなら、ぜひアルジェリアで犠牲になった方々へも尊崇の念も示してほしいと心から思います。アルジェリア事件は、まだ一年前の出来ごとですが、最近はマスコミの話題にも上らず、すでに忘却の淵に沈んでいるような気がします。
 安倍首相が今の政治姿勢を続けるなら、オバマ大統領の広島、長崎訪問も実現はしないのではないかと危惧します。このままでは世界平和への貢献もできないでしょう。

 あんなこと、そんなことを思い出すにつけ、2013年は心がくじける出来事が多すぎたので、このブログの更新もしませんでした。いまやっと2013年が終る、という思いです。私にとっての今年は、主としてアルジェリアでテロの犠牲になった方々を追悼する1年でした。         
                                                                       ジャーナリスト 柴山 哲也

 
 

 
 
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